ーー 一週間後 ーー


朝・・・ 普段と何ら変わらず新八が眼を覚ました。 新八は他の二人と違って、目覚まし時計など使わずとも思った時間に眼を覚ます事が出来る 無意識に体を起こした すると 「!」 全開に肌蹴られた自分の姿に気付いて思わず布団を掴んだ 慌てた瞳に写ったのは、自分の腹の上にでんと乗った銀時の逞しい腕 「あ・・・」 隣に眼をやればスヤスヤと満悦そうな銀時の寝顔・・・ 昨夜も抱き締められる様にして眠った 「う〜おはよ〜銀・・ちゃ・・・」 「ああ、おはよ・・早く顔洗え、そのヨダレを何とかしろ」 銀時がヒゲを剃ってる横を神楽がやってくる 「顔は朝ご飯食べてからでいいネ、その方がスッキリするアル」 バタン 横切った神楽が厠に入った 「・・・・・」 柱の向こうでは新八が朝ご飯を作っている 「・・・・・」 俺も朝はまずゆっくり飯食ってから身支度したいものなんだが・・・ 最近は朝起きたらまず一番にヒゲ剃りなのだ 最初の頃はわからなかったが、新八を意識する様になって気付いた事があった 朝ヒゲを剃らずにウロウロしていると新八くんは近寄ってこない 顔も眼も合わせようとしないのだ 『何?』と思ったね最初は・・・ 神楽ですら平気で寄ってくるのに ある朝の日、洗面台でこうして剃ってた時に新八くんが厠にやって来て・・・ 「あっ・・・」 「おう便所か?」 「あっあっ・・」 「んあ?」 「ごっごめんなさいっ!!」 飛び出してく新八くん・・・・; どうやら・・・ 幼い時に両親を亡くして、以来ずっとお姉ちゃんと二人暮らしで育った新八くんは 男のくせに男というものを知らないらしいのだ 父親健在で兄ちゃんがいるらしい神楽の方がずっか見慣れてるなんてね お前にもその内生えてくんだよ、大丈夫?みたいな! それから・・・ 朝一番にヒゲ剃りだ なるだけあいつの眼に入らん様に気ぃつかってやっている あの頃に・・・ 綺麗な顎だ・・・つるっつる 柔らかい手の平・・・ 白いうなじ・・・ その着物、袴の下も白いのか?柔らかいのか?つるつるなのか? 見たい 知りたい 触ってみたい  ・・・って思ったんだっけ・・・ 「あっ銀さんご飯出来ましたよ」 ゆっくりヒゲ剃りも終わり、洗面所から出てきた銀時に新八は声をかけた 「おお・・・」 「神楽ちゃんもう食べ始めちゃってるかも・・」 「・・・・・・・」 「銀さん?」 動かない銀時に新八は首をかしげた ボーっとこちらを見ている 「新八って・・・」 「はい?」 「可愛いねー・・・」 「!!」 「っつってみただけ、茶ぁ淹れてきて、落とすなよ」 「っ・・えっあ、はい!」 後ろでしどろもどろに茶の用意をする姿が想像出来た 少しは意識してもらえてると思っていいのかね? てか、 あれから何日経った? 分からん! 毎晩一つの布団で一緒に寝んねして・・・って・・・ 新八くん本当に寝ちゃうんだもんよ〜 これから!って時は確実に寝てる あ〜 駄目だ〜 自信無くしてきた〜・・・ 「はい、銀さんお茶です・・・」 トンとテーブルの上にアツアツのお茶が乗った 「あっ!新八私も!私も!」 「はい神楽ちゃん」 神楽の目の前にも乗った にこにこと神楽のご飯のお代わりもよそっている 本当可愛い顔して・・・ 銀時は茶碗のご飯をかきこんだ 「あれ?何?今日帰んの?」 朝ご飯を終えた後、さてジャンプでも読もうかの銀時は 隣の和室でゴソゴソしている新八に気付いて部屋を覗いてみる 新八は風呂敷に自分の荷物をまとめている所だった 「やだな銀さん言ってたじゃないですか、今日から2日間姉上の仕事がお休みだから 僕もお休みいただきますって」 「そだっけ?」 「姉上お昼位に起きるだろうからその前に帰ってお昼ご飯の用意しておきたいんです」 「ふーん・・って俺等の飯は?」 「そんなの自分達でなんとかしてくださいよー。僕は今から休日なんです」 「あっそ」 まいった。 12時きっかりに神楽は帰ってくるはずだ、何食わせっか・・・ 「ご飯なら炊いてありますから・・・おかずは冷蔵庫に・・・」 動かない銀時に新八はポソリと言った 「定春のドックフードも2日分買い置きしてありますからあげるの忘れないでくださいね」 「へーへー、まあ晩飯はババアんとこで食っかな」 「じゃあ僕はこれで帰ります」 よいしょと新八は風呂敷を肩にかけて玄関に向かう 「へへ、今日は姉上と買い物に行くんです」 「お通ちゃんのCDも出てるんで一緒に行ってくれるって」 新八の後ろを銀時も廊下を歩いた 「じゃあ銀さん神楽ちゃんと定春の事ちゃんとお願いします」 「おおまあ、ゆっくり休めや」 ガラガラガラ・・・ ・・・・・・・・ さっきまで家の全てが動いていたのに・・・ 途端にシンとする 平気でやって来て、平気で帰って行く、 帰る場所は別だと突き出されたようだった ・・・・・・・・・・・・・ 「姉上ぇ〜このお通ちゃんの新曲はですね〜」 「もうその話は聞いたわよ〜新ちゃんは本当にお通ちゃんが好きね〜」 久しぶりの姉弟水入らずの買い物を楽しんだ二人は帰り道を歩いていた 街中からはだいぶ外れてきていた 「姉上は僕の話聞いてくれますからつい・・・」 「銀さんと神楽ちゃんはお通ちゃんの良さを全然わかってくれないんですよ!」 「まあ好みは人それぞれだからねぇ、新ちゃんもあんまり自分の好きを押し付けちゃダメよ」 「うっ・・・;はぁい」 楽しく帰り道を歩いていたのに 前方から変な男の二人組が新八とお妙を見ていた 「よう綺麗な姉ちゃん買い物帰りかい?」 「何ですかあなた達!」 隣を歩くお妙の体が強張ったのを新八は感じた 「ちょっとでいいからさぁ〜俺等に金恵んでくんね♪」 「なっ!何なんだよ!あんた達!!」 「新ちゃん!」 新八は一歩お妙の前に立った 姉上を守らなきゃ!侍だ! 「なんだこいつ。なあ姉ちゃん俺等2人で2万でいいからさぁ〜」 「ふっふざけるなぁあ!!お前等恥ずかしく無いのかよ!!」 新八は声を張り上げた 「新ちゃん!・・・そう2万でいいのね」 財布を取り出そうとするお妙 「いけません!姉上!!こんな奴等なんかにっ!」 「うるうせぇ弟だなぁ おら、お姉ちゃんはいいって言ってんだろ〜」 ぐいっと新八は一人の男に胸倉を掴まれ持ち上げられた 「うわあっ!ぎん・・っ!!!」 思わず呼びそうになった名前に新八の意識が一瞬抜けた 振り飛ばされる 「きゃあ!新ちゃん!!」 ズサッと地面に落とされた 「っつう〜」 油断してしまったこんな姿皆にはみせられない 「・・・・っお前・・・おい!こいつ見ろよ!」 「うおっすげー!何?マジ!?」 男達の声のトーンが変わった 何?と・・・新八は顔を上げる 「あ〜確かに可愛いわぁ〜姉ちゃんソックシ」 「なあ、俺等の相手もしてくんねぇ?」 「えっ?」 男達の視線を追うと・・・ 「うわぁ!やっ!」 新八はすぐにも体を丸めた 大きく開かれた自分の胸元がさらけ出されていたのだ ここ最近銀時は毎晩新八の胸に吸い付いた 朝、目を覚ますと決まってその場所は赤く色ついている 新八でもそれは銀時が吸い付いた痕なのだと理解していた そして、誰にも見せられないと・・・ だから、『寺門通親衛隊』の皆との活動も、一緒にCDを買いに行く事も出来なかった あのサラシとハッピ姿にはとてもなれなくて・・・ 「新ちゃん!どうしたのっ!?」 急に小さく丸まってしまった弟にお妙が声を上げた 「うるらぁああ!お前等ぁあ!!ウチの弟に何しとんじゃぁああああ!!!」 お妙自慢の怪力が二人の男を追い払った すぐにも新八の横に駆け寄る 「新ちゃん!大丈夫?怪我したの?見せてちょうだい!」 丸まって首を振る新八 ダメだ!こんなの姉上に見せられない! その時・・・ パチパチパチ 二人の後ろを拍手の音が鳴った 「エリザベスに呼ばれて来てみたが、いや俺の出番は無かったわけだ」 「桂さん、もう遅いじゃないんですか!」 にこにことやってくる桂にお妙が立ち上がった 「すまない。しかし妙殿の手さばきは見事であった」 「ん?なんだなんだ新八くん気にする事はない。また鍛えればいいだけだ」 「かっ桂さん・・・」 「ん?」 小さく覗き上げる新八に桂の笑顔が止まった・・・ 「・・・・・」 夜になりお妙と二人夕食も済ませ、もう明日の準備と寝るだけ 新八は風呂上がり脱衣所の鏡の前に立っている 「赤い・・・」 湯船につかった体はその痕をさらに赤く色つかせた ゆがんだ顔の自分が鏡に写っている 『うおっすげー!何?マジ!?』 昼間の男達の言葉が頭の中を掻き回す 『なあ、俺等の相手もしてくんねぇ?』 思い出しては背筋が冷やりとした 慌てて寝巻きの浴衣に袖を通す やっぱりこれは・・・いやらしい事なんだ・・・ 銀さん銀さん銀さん!! どうしよう・・・ 見られちゃったよ・・・ どうしよう・・・ 怖いよ・・・ 新八は胸元をぎゅっっと握り締めながらヒタヒタと自分の部屋に入った 久しぶりの自分の部屋、自分の布団 だけど落ちつかない 『新八・・・』 昼間はひょうひょうとした銀時だが、布団の上では新八に優しかった 目を細めて微笑んでくれる 恐る恐るしがみつくと広い腕で抱き締めてくれた 『新八・・・』 今万事屋だったら 『大丈夫だ』って抱き締めてくれるだろうか? 頭撫でてくれるだろうか・・・ 「んっ・・・」 新八は掴んだ布団に顔をうずめた 銀さん銀さん銀さん・・・ 新八は自分の手で自分のお腹に手を入れた 銀さんはいつもお腹からで するするしたら もう片方の腕が背中を回ってくる 『ほぉら新八・・・気持ちいいか?ん?』 「あ・・・・・」 『どこがいい?なあ・・言ってもいいんだぜ』 「・・・はっ・・ふっ」 全身で布団にしがみつく 銀さん・・・ 『新八ってどこもスベスベ気持ちいー』 あ・・・ 昨夜はそう言って胸の上で頬ずりされたんだった そう言って吸い付かれた 銀さん銀さん 銀さんと一緒に寝たいよ 眠りに落ちるまで撫でていて欲しい・・・ 「・・・・」 銀さんは・・・ ? 銀さんは今頃どうしてるんだろ・・・ かっ神楽ちゃんと二人で寝てたりして; 『神楽ってどこもスベスベ気持ちいー』 『銀ちゃん大好きー』 そっそりゃあ神楽ちゃんは女の子だからスベスベなのは当然だけどっ; 『新八より全然いい〜』 う・・・・ そっそれはしょうがないよ;女と男だもんっ; 『今日から神楽と寝る事にしたから、お前は押入れな!』 うわあぁ!やだぁ! 布団の上でジタバタする やだぁ!押入れやだ、やだやだ! 『新八・・・』 優しい顔が思い浮かぶ 『お前が寝るまでずっとしててやるから・・・』 優しい腕が 「・・・・・」 だけど・・・ 銀さんがもうしたくないってなったら・・・ 押入れは無くても、もう僕に触りたくないってなったら・・・ どうしよう・・・ そんなのやだ・・・ どうしよう・・・ 怖いよ・・・ 「銀ちゃーんお腹すいたアルー 朝ごはん」 「んあ?その辺にパンでも何かあんだろ、それ食っとけー」 朝、着替えも済ませた神楽が銀時の寝ている和室に入ってきた 横にしゃがんで訴える 「もう食っちゃったネ ねえ銀ちゃーん」 「なんだ新八買っといてなかったのか?」 ドックフードの買い置きまでしておいて微妙に抜けている 神楽の2日分の胃袋の計算までしといて欲しかった 銀時はもそりと起き上がった 「あれ?もうこんな時間か?」 時計を見れば10時を過ぎていた 起こしてくれる人がいないのだからどういしようもないのだが、 「しゃーねぇ、昼飯がてら外喰い行くかー」 「おう!」 わーい!と神楽と定春が喜び上がった 二人と一匹で出掛けた 戸締りは?あっやべ・・・忘れたかもしんねー ま、いっか・・・何も取るもんねぇし・・・ 「銀ちゃん何食うアルか?」 「ラーメンでいいだろ?お前連れてけば負けてくれるかもしれねぇし」 二人と一匹は散歩がてらに歩いた ガラララララ 「あら銀さんいらっしゃい!」 「おう」 銀時馴染みのラーメン屋「北斗心軒」女店主の幾松が声をかけた 「ラーメン♪ラーメン♪」 「まあ神楽ちゃんもいらっしゃい!沢山食べてってね!おばさんサービスしちゃうぞv」 ほらな、女は子供に弱い 特に幾松は夫に先立たれた未亡人、神楽が満腹になるまで食わせてくれるだろう 銀時がカウンターの席に座ろうとした所 「ん?」 「あっ!ヅラアル!!」 うっとおしい程見慣れた奴がそこで蕎麦を食っていた 横には白い化け物もいる 「やあ!昼間っから幾松殿のラーメンとは流石はリーダー!」 「何?今どこを褒めたんだよ!」 どっかりと横に座った、その銀時の横を神楽が座る 「ん?新八くんはどうした?」 「新八くんは今日は万事屋休みなの」 「そうか、昨日新八くんを見たぞ、妙殿と買い物だったそうだ」 「あーまあそう言ってたな」 「ふっ見たぞ銀時」 「ああ?」 「見たぞ!銀時!」 ズイズイ顔を近づけてくる 「ああ!何をだよ!?」 桂は姿勢を戻すと両手を胸元にあてて 「こっこれは銀さんが吸い付いた痕で、銀さんいっぱいするから、こんなに沢山、(桂裏声) あっあんまり見ないっ・・・ぶっふう!!」 ドッガッシャーン!! 桂が蕎麦ごとふっとんだ。店の椅子テーブルを巻き込んで 「っ・・・てめぇ〜何を見たんだ・・・ああっ?」 「ちょっとぉ!!ケンカなら外でやって頂戴!!神楽ちゃんがいるでしょう!!」 確かに!と・・・桂は蕎麦を銀時はラーメン片手にすごすごと外に出た ガラララララ 「礼を言って欲しいものだな、妙殿にはバレんように一緒に誤魔化してやったというのにな」 「バレたのか!?」 店の前、二人でしゃがんで食べながら・・・ 「バレてはない。だが、妙殿に限らずともバレるかもしれんぞ。ズルズル・・・」 「ズズ〜・・・何で?」 「顔付きが違う、あと体付きも、お前侍に鍛えてやる気無いだろう」 「マジで!やっぱな〜最近お肌がつやつやしてきたんだよ!あいつ」 「ズルズル・・・とにかく、中途半端な事をするなら早めに引き下がる事だな」 「はあ?」 「聞いたぞ、お前一緒に寝て吸い付くだけなんだってな、意気地無しめ」 「はあっ!?なっ!ちっちげーよ;俺には俺の計画があってだなぁ!」 「ほう〜まあそんなに致したいんだったら俺が相手になってやっても・・・ぶっふう!!」 また桂が蕎麦ごと吹っ飛んだ 「あー気持ち悪りぃー」 ガラララララ 「銀ちゃん・・・ん?」 遠くでヅラが転がっていた 「お!食い終わったか?」 新八は自宅の道場にいた 今日は午後から久しぶりに素振りをした。 侍になる為に銀時の下に行ったのに、最近修行らしい事を殆どしていなかった 強くなってはいるはずなのに・・・ こんな調子だからあんな奴等になめられるんだ! ブンブンブンブン 今日は思いっきり練習しよう! お妙は居間で友達とお茶とお菓子だ 今日はお妙が休日とあって、次から次へと友達がやってくる 新八は人から慕われる姉が自慢でもあり、羨ましくもあった 笑い声が道場まで聞こえてくる 「・・・・・・」 自分には家を訪ねて来てくれる友達など殆どいない 「・・・・・・」 ジリリリリリリ! ああ・・電話だ、また姉上だ 新八はかまわず素振りを続けた やはり、お妙が話し込んでいるのがわかった 「新ちゃん、いい?」 「はい」 道場にお妙がやってきて、新八は素振りの手を止める 「今電話でね、お店の子が一人風邪でお休みになっちゃったらしいのよ」 「はあ・・・大丈夫ですか・・・」 「それでね急に人が足りなくって、私が代わりに入る事になったの」 「!え・・・でも・・・姉上は前からお休み決まってたじゃないですか!」 「しょうがないのよ、皆が困るでしょう。ごめんなさいね」 「新ちゃんは・・・そうね。銀さんの所に行ってなさい。日が暮れる前に行くのよ」 「!!・・・はい・・・」 ふいにある名前を言われて新八の胸が高鳴った 銀さんの所に・・・ 今日は銀さんの所で・・・ 新八は荷物をまとめる為、すぐにも部屋に戻った ガラガラガラ 「あれ?誰もいない・・・」 新八はお妙を見送った後、早速万事屋にやって来た 玄関は開いているのに、その主達は誰もいなかった 「あーあ、ぐちゃぐちゃ・・・」 リビングはジャンプに食べた菓子袋、茶碗が氾濫している 「布団も敷きぱなしだし・・・」 新八は和室も覗いた 一組の布団が堂々と置かれている 寝巻きもそのまま、 「う・・・」 急にドキドキしてしまう・・・ 中に入ってあたりを見渡す 二人で寝てたって事はない・・よね; ああ、僕は何を考えているんだろう・・・ 「お帰りなさい、銀さん神楽ちゃん、定春!」 「あっ新八!」 「新八、来てたのか?」 夕方、玄関にてやっと帰って来た二人と一匹を出迎えた 「あっ!クンクン・・銀ちゃん!晩ご飯アル!」 「うん、もう出来てるよ!手洗って来て神楽ちゃん」 神楽が洗面所に走った 「お前、今日は休みじゃなかったのかよ。何やってんの?」 「えっ?・・ご飯の時間だからつい・・・あの・・」 確かに昨日はそう言ったんだっけ その時、 「!」 ポンと銀時の手が新八の頭を撫でた 「わりぃ・・・ホントは助かった・・・」 「あ・・・」 新八が顔を上げた時、銀時は前を歩いていた 広い背中が目に写る 銀さんっ! 僕・・・昨日変な奴等にあって、 嫌な思いをして、 凄く怖かったんです! 銀さん、銀さん、銀さんっ!! その背中に飛びつきたい すがりたい 抱きしめてもらいたい 「あ・・・」 リビングに入る姿を見届けながら 新八は顔中が熱くなっているのを感じていた 「うし、じゃあ寝るか」 夕飯も食べ終わり、3人共風呂も済ませていた テレビの電源をプチンと消した銀時が立ち上がった 「はい・・・」 隣に座っていた新八も応える 二人で和室に入った 新八はさっきからドキドキが止まらなかった 神楽はお風呂から出たら、いつも通りすぐに玄関傍の自称自分の部屋の押入れに入ってしまっていた ホッとしてしまう自分がいる・・・ 布団の上に胡坐をかいた銀時に 「新八、こっちこい」 手招かれるまま、銀時の目の前に膝を着いた 「昼間ヅラに会った」 「!、銀さん!あのっ僕昨日っ!」 「なあ、見せて。お前朝起きるともういねぇから俺見た事なかったわ〜」 「え?・・・・あっ!」 ぐいっと・・・銀時の両手に胸元を開かれた、光にさらされる 「本当だ。沢山だな。」にやにやと笑う 「う・・・・」 「おい・・・新八これ・・・・」 「あっああっ!!」 新八は思わず銀時の両腕を掴んだ 両手で胴を挟まれたかと思ったら、そのまま両親指で胸の先を押された 今ビックリして声が上がったのだと思ったら・・・ 「あっあっ!・・・あっ・・・!」 止まらない そのまま親指でくりくりとされる 「感じるか?指で隠れちまう、可愛いのな」 「ふあ・・・」 銀時は腕を掴まれた手に力が入るのがわかった ぶるぶるしている だが、かまわず続ける 無数の赤い印の中に薄桃色の二つ・・・ 「これもその二人組の男に見られちまったか?そらぁ大変だぁ・・」 「うっ・・ん・・ん!・・・はあ・・・」 これ、もうやだ・・・ 膝が立っていられない 力が入らなくてぐらぐらする やっと親指から解放される、新八はそのまま力なく尻を落とした 「・・・・・っ・・・」 ひょいっと銀時に横抱きにされて・・・ 布団の上に落とされた ああ、銀さん・・・早く・・・・ 新八は銀時の寝巻きの袖を掴んだ 早く・・・抱きしめて、腕枕がいい、頭を撫でて、 銀さん・・・ 銀さん、銀さん、好き・・・ 好き、好き・・・ 「なあ・・新八ぃこれ取ってい?」 「え?」 上から見下ろされた銀時に腰の帯を指さされた 「なん・・で・・・」 銀時の息遣いが変わっている 「・・・・・」 いやらしい事をしている・・・ そう思える事は嫌だった・・・ ただ、優しくされたい・・・ でも、もう嫌だとは言えないのだ・・・ スルリと帯紐が解かれた、下着姿が光にさらされる 新八は恥ずかしくて息を止めた ひとつ太腿を撫でられて 「ちょっと待ってろ・・・」 立ち上がった銀時が明かりを消す バサリと寝巻きの上を脱いだのが新八にもわかった・・・ ああ・・・もういい・・・ もうやめて・・・ 「はあっ・・・ア・・・」 銀時の手が体中を這う 新八は無意識にその感触を追いかけた 腹に、腕に、胸に、太ももに、ふくらはぎ、 全てくまなく撫で回される じっと、銀時の視線を肌に感じる 調べられている、新八にもわかった ああ、気持ちいい・・・気持ちいいよう・・・ もうやめて・・・ 「新八ィ・・・」 「あ・・・・」 「ほら、銀さんに手ぇまわしてみ」 銀時に両腕を掴まれ、首の後ろまで導かれた 「銀さん・・・」 「うん・・・」 新八の背中には銀時の腕が回され ぎゅうっって・・・ ああ銀さん、銀さん、銀さん! 好き、大好き、 ずっと・・・毎日こうしてて・・・ 「はぁ・・・暴れるなよ・・・」 「?・・・」 放れたくないのに銀時の体はさがっていく 「・・・・はあっ!・・やっ!」 胸の上をねっとりと舐められた 「そこ・・だっ!、あっ!?」 思わず銀時の顔を押しのけようと両手が動いた 「だから暴れんなって・・・」 サッっと銀時の両手に双方共掴まれた そのまま布団に縫い止められる 銀時は体全体を使って新八の動きを止めた 「よし、」 「やあ・・・」 またねっとりと始まった・・・ 時々ぴちゃりとする音が新八を振るえさせた・・・ 「はっ・・・・はっ!やあ・・」 銀時の太くて重い腕に掴まれた両腕はびくともしなかった 身体中がピンと張り詰める 終わるのを耐えるしかない・・・ 「はぁ・・・すげぇな新八・・・」 やっと放れた唇に安堵するも 「次はこっち・・・」 銀時の視線はもう片方に 「ひぃっ・・・」 隣が散々嬲られた為か、触れてもいないのにそれはもうプクリと熟れていた また始まる・・・ 銀時は喜んでいる様だった 朦朧とする意識の中で感じていた・・・ それならいい・・ 少し我慢すればいいだけだ・・・ そしたらほら、 優しくしてくれる・・・ 頭を撫でる銀時の手を感じ、新八はうっとりと眼を閉じた 『顔付きが違う』・・・確かに 『それに体付きも』・・・確かに 流石、ヅラ先輩! それに声もいい 『銀さん・・・』 頬を赤らめて自分にすがり付いてくるその姿は愛らしかった もうちょっと、 もうちょっと待ってみよう・・・ 嫌がる様ならする気はない・・・ 揉め事になるのは面倒だ・・・ 小さく寝息をたてる体を抱き寄せ、銀時はそっと眼を閉じた ああ・・・ もう・・・ 一人、夜は寝れない・・・・ これはもう完全につづく
★ここまで読んでくださり本当にありがとうございます!

だんだんUPするのに勇気が・・・

いつにも増して乙女新八くんです。
受けが乙女だと自然と相手はいい男チックになるBLマジック☆炸裂☆
大好物なんですよ!

H20.10. 蜜星ルネ







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